一ヶ月前に、僕は本を出した。といってもたいしたものではない。
ネタは仕事関係で思いついたが、くだらなさすぎて速攻ボツにしたものも混じっている。
しかし、基本は休日や終業後に息抜きのために書いたものだ。
この本を出版したとき、一緒に仕事している仲間から「よくそんな暇があるな」と言われた。
なかには「ゴーテンは見えないところでこっそりさぼっている。悪いやつだ」といぶかしむ輩までいる。
しかし、それは大きな間違いである。
1本のショートショートはだいたい5〜10分程度で書き上げている。そして、この時間がじつは重要なのだ。
タバコを吸っている人の場合、その一本の休憩でリラックスして仕事の能率をあげられると聞く。僕にとってはこのショートショートの時間がタバコ代わりなのである。
5分ほど自由に考え、自由にものをつくることで、ストレスが吹き飛び、むしろエネルギーが充填される気すらしているのである。だからこそ、こういう時間をみんな持つべきなのである。
「それでは、もっと仕事を増やしてやろう」という上司が言った。
それは勘弁願いたいのである。